「了解いたしました」が目上の相手に対してNGとされる決定的な理由は、「了解」という漢語の原義が『物事の道理を理解し、それを認める・許可する』という意味合いを含んでいるためです。
歴史的に「了解」という言葉は、軍隊の通信用語や組織の指揮命令系統において「指示内容を把握し、実行を認める」という文脈で多用されてきました。つまり、根本的なニュアンスとして「上位者が下位者の行動を許可する」という立ち位置が含まれています。そのため、どれほど語尾を「いたしました」と謙譲の形に整えたとしても、単語そのものの持つ「上から目線」の響きを完全に打ち消すことができません。
さらに、同僚や後輩に対して使われる「了解しました」が定着していることも影響しています。日常会話で「了解!」とフランクに使われる頻度が高いため、語尾だけを丁寧に整えた「了解いたしました」に対しても、受け手は無意識にカジュアルな軽さを感じ取ってしまうのです。