鬼龍紅郎を語る上で欠かせないのが、紅月のリーダーであり生徒会副会長を務めた蓮巳敬人との特別な絆です。二人は夢ノ咲学院で出会ったのではなく、寺の息子である敬人と近所の不良少年だった紅郎という、幼少期からの奇妙な腐れ縁でした。
幼い頃、真面目で理屈っぽい敬人が悪童たちに囲まれた際、紅郎が割って入って助けた出来事など、過去の接点は枚挙にいとまがありません。その後、紅郎が母親の死を機に荒れ果て、喧嘩に身を投じていた時期にも、敬人は彼を見捨てることはありませんでした。敬人が夢ノ咲学院で革命を志した際、最も信頼できる武力であり、かつ心根の清らかな存在として白羽の矢を立てたのが紅郎だったのです。
二人の関係は、単純な主従関係や上下関係ではありません。冷徹な策士として泥をかぶる覚悟を持つ敬人に対し、紅郎は「お前が泥をかぶるなら、俺がその泥を拭ってやる」「お前を悪党にはさせない」と背中を支えます。敬人の過剰な生真面目さを誰よりも理解し、時に窘め、時に盾となって矢面に立つ姿は、紅月というユニットの精神的屋台骨となっています。
さらに、後輩である神崎颯馬が加わることで、家族のような温かな調和が完成しました。厳格な父親役の敬人、優しく力強い母親役の紅郎、そして真っ直ぐに育つ息子のような颯馬――公式イベントでも度々描かれるこの絶妙なバランスは、紅郎の圧倒的な受容力があってこそ成立しています。