検索エンジンに「タイ 料理 研究 所 渋谷 店」と打ち込んだ際、関連検索に「炎上」や「クレーム」といった物騒なワードが並ぶ現象が見受けられます。メディア編集部が過去のニュースアーカイブやSNSのログ、各種口コミサイトを徹底調査したところ、食中毒や衛生問題、バイトテロといったコンプライアンス上の重大な炎上事案は一切確認されませんでした。
では、なぜこのような不穏なワードが取り沙汰されるのでしょうか。ネットの反応を多角的に分析すると、2つの構造的な要因が浮き彫りになります。
第1の要因は、「激辛体験に対する過激なリアクションの拡散」です。一般的な日本の居酒屋やファミリーレストランで供されるタイ料理は、日本人の舌に合わせて唐辛子(プリックキーヌー)の量を大幅に減らし、砂糖やココナッツミルクで甘みを強調した調整が施されているケースがほとんどです。しかし、タイ料理研究所のトムヤムクンやソムタム(青パパイヤのサラダ)、ガパオライスは、本場のパンチをそのまま再現しています。これを知らずに軽い気持ちで注文した一般ユーザーが、「辛すぎて口から火が出た」「胃が燃えるような刺激で完食できなかった」とSNSに投稿。これがショート動画や口コミを通じてバイラル化し、「辛すぎて炎上している店」という文脈で記号化されてしまったのです。
第2の要因は、「現地式ホスピタリティと日本式接客の期待値のズレ」です。スタッフの約7割がタイ出身者である同店では、店内に飛び交うタイ語や笑顔のコミュニケーションが魅力である一方、日本の過剰なマニュアル接客(過度にお辞儀をする、迅速すぎる配膳など)に慣れきった一部の利用客から「注文時の言葉が通じにくかった」「混雑時に提供が遅れた」といった低評価レビューが投稿され、それに対してタイ料理フリークが反論を書き込むといった言論の応酬が発生していました。
異文化受容の過程で生じるこれらのギャップは、むしろ同店が「安易な日本化」を拒絶し、文化の純度を高く保っている証拠でもあります。