ポンジスキームにおいて最も悲劇的、かつ冷酷な結末は、「自分も被害者であるはずの人間が、法的手続きや世論によって『加害者』へと反転する」瞬間です。
法的な観点から言えば、投資商品が無登録の状態で不特定多数から出資を募っていた場合、出資法違反(預かり金の禁止)や金融商品取引法違反に該当します。もしタレントが「絶対儲かるから」と断定的な判断を提供して知人を勧誘し、その見返りとしてブローカーから紹介手数料(キックバック)を受け取っていた場合、単なる出資者ではなく「勧誘行為の共同正犯」あるいは「詐欺罪の幇助」として刑事責任を問われるリスクが生じます。
過去の民事訴訟の判例でも、広告塔としての責任は厳格に判断される傾向が強まっています。「円天事件」を巡る損害賠償請求訴訟では、広告塔としてイベントに出演し信用を与えた著名人に対し、被害者への不法行為責任を認める判決が下されました。裁判所は「自らの知名度が出資者に与える影響を十分に認識すべきであり、その事業が正当なものであるかを確認する注意義務を怠った」と判断したのです。
さらに苛烈なのが、現代のネット世論による制裁です。SNSや匿名掲示板(5ch等)では、投資トラブルが報じられた瞬間から容赦のない糾弾が始まります。
「自分も何千万円騙されたと被害者面しているが、後輩の金を巻き上げた事実は消えない」
「知らなかったでは済まされない。知名度を利用して詐欺の片棒を担いだのと同じだ」
「テレビに出ている人間が紹介したから信用した被害者の気持ちを考えろ」
こうしたネットの反応はスポンサー企業を直撃します。企業側はコンプライアンスリスクを極度に恐れるため、刑事事件として立件されずとも、名前が上がったタレントをCMや番組から即座に降板させます。一度「投資トラブルに関与した人物」というレッテルを貼られてしまえば、どれほど芸に秀でていようとも、クリーンなイメージが求められる地上波放送への復帰には途方もない年月と労力が必要となります。