全国97箇所の空港の配置を都道府県別に見ると、極めて極端な偏りが存在します。圧倒的な数を誇るのは、広大な面積を持つ北海道(12箇所)です。新千歳や函館といった主要空港だけでなく、稚内、オホーツク紋別、女満別、中標津、釧路、帯広、旭川、利尻、奥尻、礼文(現在休止中)と、道内各地にネットワークが張り巡らされています。冬季の陸上交通が吹雪で遮断される北海道において、航空路は文字通りの「命綱」だからです。
次いで空港が多いのは、長崎県(壱岐、対馬、五島福江など離島多数)や沖縄県(宮古、石垣、久米島、与那国など)といった島嶼部を抱える地域です。これらの地域では、空港の存在が住民の医療・生活・物流を直接支えています。
一方で、空港が1つも存在しない都道府県も全国に10箇所存在します。
- 関東・甲信越:栃木県、群馬県、埼玉県、神奈川県、山梨県
- 東海・近畿:岐阜県、三重県、滋賀県、京都府、奈良県
これらの自治体に空港がない理由は明確です。羽田・成田・中部・関西・伊丹といった巨大ハブ空港へのアクセスが鉄道で1〜2時間圏内であること、あるいは東海道・山陽新幹線などの超高密度鉄道路線がすでに完成しているため、空港を新設する費用対効果が見込めないためです。「空港がない県」の住民ほど、実は移動の利便性が極めて高いという逆転現象が起きています。