実は日本全否定ではなかった?リットン調査団の真相と連盟脱退の罠

実は日本全否定ではなかった?リットン調査団の真相と連盟脱退の罠

実は日本全否定ではなかった?リットン調査団の真相と連盟脱退の罠について知っておくべき 注意点を分かりやすい構成で解説いたします。

連盟を脱退した松岡洋右が帰国した際、横浜港や東京駅を埋め尽くしたのは怒りの群衆ではなく、「連盟に屈しなかった英雄」を熱狂的に迎える万歳三唱の嵐でした。新聞各紙は松岡の毅然たる態度を褒め称え、国策を追認し、連盟脱退を「帝国の栄光ある孤立」として歓呼しました。

しかし、松岡本人は帰国直後の記者団に対し「自分は英雄などではない。これからの日本は本当に大変なことになる」と、深い苦渋と危機感を漏らしていました。松岡の本来のミッションは、強硬な弁舌を振るいつつも決裂を避け、水面下で英米との妥協点を探ることだったからです。

ところが、国内の新聞メディアは部数拡大のために軍部の戦勝報道を過熱させ、「連盟の不当な圧迫に屈するな」と主戦論を煽り立てました。メディアが生み出した熱狂的な世論は、政治家や外交官の手足を縛り、妥協を「軟弱」「売国」と断じる空気を社会全体に作り上げてしまいました。リットン調査団が提示した「日本の実利を保ちつつ、国際協調の枠組みに残る」という現実的な選択肢は、感情的な世論の怒涛の中で完全に消し去られてしまったのです。

山田 真由
著者

山田 真由

暮らしを豊かにする便利アイテムや時短アイデアを中心に、実用的な情報をお届けします。