ネット上の一部では、「ぐらんぶるはダイビング漫画を装ったただの一気飲み漫画であり、工学部要素はおまけに過ぎない」という誤解が散見されます。しかし、これは作品の構造を完全に見誤っています。
原作者の井上堅二氏が構築するプロットの妙は、「徹底した理系の論理的思考とアホらしさのギャップ」にあります。伊織や耕平は普段こそアルコール度数96度のスピリタス(作中呼称:ウーロン茶や水)を煽って暴れているものの、彼らが所属する伊豆大学工学部機械工学科のカリキュラム描写や専門用語の使い方は驚くほど精密です。
カンニングの手法ひとつを取っても、力学的な死角の計算や電子機器の偽装など、無駄に高い知能を愚かな目的に全振りする描写が散りばめられています。工学部の過酷な現実がベースにあるからこそ、バカ騒ぎの解放感が引き立ち、シャルピー衝撃試験のような専門用語の一発ネタが爆発的な化学反応を起こすのです。
【プロの結論】おすすめできる人・慎重になるべき人の判断基準
本作の試験回および作品全体を楽しむにあたり、読者の属性によって受け取り方が大きく異なります。ミスマッチを防ぐための判断基準を提示します。
【本作を心からおすすめできる人】
- 理系学部(工学部・理学部・農学部など)の出身者、あるいは現在単位争奪戦の渦中にいる現役学生
- 理屈抜きのハイテンションなギャグや、伏線回収のスピード感を重視する読者
- サークル活動や男子校的な悪ノリ、悪友同士の足の引っ張り合いを笑って許容できる人
【読む際に少し慎重になるべき人】
- 美しく爽やかな本格派ダイビング漫画のみを期待している人(海の描写は本物ですが、陸上パートの比率が極端に高いです)
- 下ネタや全裸描写、度を越した飲酒ノリに対して強い忌避感・コンプライアンス意識を持つ人
- 現在進行形で必須科目の単位を落とし、留年の危機に直面して精神的な余裕がない学生