ふたりの運命的な出会いは、2009年に公開された長編映画『ノーウェアボーイ ひとりぼっちのあいつ』のオーディション現場に遡ります。ビートルズの若き日のジョン・レノンを描いた同作で長編監督デビューを果たしたサム(当時サム・テイラー=ウッド、42歳)の前に、主役のオーディションを受けに現れたのが、当時弱冠18歳から19歳になろうとしていた若手実力派俳優アーロン・ジョンソンでした。
当時の海外映画メディアのインタビューや制作関係者の証言によると、オーディション室に入ってきた瞬間に漂うアーロンの圧倒的なカリスマ性と成熟した内面に、サムは監督として強烈に魅了されたといいます。一方でアーロンもまた、映画の撮影期間を通じてサムの知性、芸術的感性、そして人間的な深みに惹かれていきました。撮影現場でのプロフェッショナルな関係を守り抜いた後、クランクアップとほぼ同時にふたりは交際を開始。出会いからわずか1年足らずで婚約を発表し、世界中に大きな衝撃を与えました。
当時、メディアやネット上では「23歳という世代を超えた年齢差」や「女性監督と若手俳優」という図式に対する心ないゴシップが飛び交いました。しかし、アーロン側がメディアの取材に対して「自分は同世代の人間と過ごすよりもずっと精神年齢が高く、サムに出会った瞬間に人生を共にする相手だと直感した」と語っている通り、年の差を問題視していたのは周囲だけであり、本人たちの間には初めから迷いはありませんでした。
2012年6月21日、ふたりはイギリス・サマセット州にて正式に結婚式を挙げました。特筆すべきは、双方が姓を改め「テイラー=ジョンソン」というハイフンで結ばれたひとつのファミリーネームを共に名乗る決断を下した点です。男性側の姓に合わせるのではなく、対等なクリエイター同士として互いのアイデンティティを尊重し融合させたこの選択は、ふたりの絆の深さを何よりも雄弁に物語っています。