闘病生活の中で西川氏が下した極めて大きな決断が、母校・聖マリアンナ医科大学大学院への進学でした。2022年春、彼女は自ら経験した過酷な後遺症とリハビリの知見を学術的に体系化し、同じ苦しみを持つ脳血管障害患者の社会復帰支援に還元するため、リハビリテーション医学専攻の博士課程へ進む道を選択しました。
これまで美容皮膚科や形成外科、内科的アプローチを中心にキャリアを築いてきた彼女にとって、脳神経系およびリハビリテーション医学の専門領域への転換は、膨大な医学論文の読破と臨床データの解析を伴う挑戦でした。大学院では「当事者の身体感覚を持つ医師」という唯一無二の立場から、運動機能回復プログラムの有効性や患者心理への介入効果に関する研究に真摯に取り組んでいます。
臨床現場への復帰に関しても、主治医や所属先との綿密な連携のもとで段階的に進められてきました。非常勤医師として勤務していた「シロノクリニック」をはじめとする医療機関において、自身の体調や手指のコンディションを考慮したカウンセリング業務や美容医療・皮膚科診療から診療を再開。診察室を訪れる患者からは「先生自身が大きな病気と闘い抜いている姿を見ているからこそ、言葉に嘘がなく、心から救われる」という声が多数寄せられており、かつてのタレント医師という枠組みを超えた、全人的医療の実践者としての評価が定着しています。