英語圏で「ティアドロップタトゥー(Teardrop Tattoo)」と呼ばれるこのデザインは、アメリカの刑務所カルチャーおよびストリートギャングの世界で発祥しました。目元という隠すことが極めて困難な場所に刻まれる目元のタトゥーの意味は、所属組織やストリートに対する絶対的な忠誠心、そして「自分は引き返せない一線を越えた」という覚悟の誇示です。
ギャングタトゥーの中でもティアドロップは別格の重みを持ちます。そのルーツは諸説あるものの、1970年代から80年代にかけてのカリフォルニア州やテキサス州の連邦刑務所で確立されたとされています。代表的な涙のタトゥーの意味として広く知られているのが、「自らの手で誰かの命を奪った(=殺人)」という冷酷な戦績の記録です。刻まれた涙の粒の数が、そのまま奪った命の数を表すケースも決して珍しくありません。
また、過酷な刑務所内で長期間にわたる過酷な刑期を務め上げていることへの誇りや、刑務所内で命を落としたギャングの仲間を悼む「流せない涙」の代弁として彫られることもあります。いずれにせよ、暴力、死、あるいは刑罰と不可分に結びついたダークな象徴であることに変わりはありません。