彼のスタンド「セックス・ピストルズ」は、バトル漫画の能力史においても傑出した存在だ。弾丸を蹴り飛ばして軌道を変える小人たち。彼らは主人であるミスタに絶対服従する兵器ではなく、サラミを要求し、仲間割れを起こし、時にミスタ本人を叱り飛ばす。
弾丸を操作する能力自体は地味かもしれない。しかし、No.1からNo.7まで(当然No.4は存在しない)の小人たちと交わされる掛け合いは、壮絶な殺し合いの現場に奇妙な暖かさをもたらす。ミスタは孤独なスナイパーではない。常に己の魂の欠片たちと飯を食い、愚痴を言い合う「6人+1人」のチームなのだ。孤立が深刻化する2020年代半ばの今、この精神的な自己充足感と愛嬌こそが、世代を超えて愛される大きな要因となっている。