フライング検査を行う上で最も注意しなければならないのが、採卵前後や胚移植後の黄体機能維持のために投与されるHCG注射(HCG5000単位・10000単位、オビドレルなど)による偽陽性の影響です。
体外から投与されたHCG製剤は、体内で徐々に代謝・排泄されますが、完全に体内から消失するまでには一定の時間を要します。この外部からのHCGが尿中に残っている間に検査を行うと、妊娠していなくてもくっきりとした陽性線が出てしまいます。
一般的な体内残留期間の目安は以下の通りです。
- HCG3000単位:投与後およそ5日〜7日間残留
- HCG5000単位:投与後およそ7日〜10日間残留
- HCG10000単位:投与後およそ10日〜14日間残留
自身が分泌したHCGなのか注射の影響なのかを見極めるには、単発の検査ではなく、BT4やBT5あたりから毎日同時刻に同じ検査薬を使って濃さの推移(グラデーション)を観察する手法がとられます。線が日を追うごとに薄くなっていれば注射の残留、一度薄くなった後に再び濃くなっていれば自前のHCG分泌(着床)と推測できます。