お札が破れた瞬間、反射的にやってしまいがちな対応の中には、紙幣の価値を失わせたり法的なトラブル・機械トラブルを引き起こす危険な落とし穴が潜んでいます。現場で頻発している代表的な3大NG行動を検証します。
1. お札の破れをセロハンテープで適当に補修するリスク
破れた紙幣をつなぎ合わせようと、一般的なセロハンテープや粘着力の強いガムテープをベタベタと貼る行為には注意が必要です。日本銀行で詳細な損傷紙幣の鑑定手続きを行う際、変造券(2枚以上の異なる紙幣を切り貼りして不正に面積を水増しした偽造紙幣)でないかを確認するため、場合によってはテープを剥がして繊維や模様の照合を行います。その際、粘着剤が紙幣の表面を剥がしてしまい、文字や記番号を破損させて鑑定不能に陥るリスクが存在します。
また、異なる紙幣の破片同士を誤って貼り合わせてしまうと、意図せず変造通貨の疑いをかけられる可能性すらあります。保管する際は、破片を無理にテープで固定せず、そのままチャック付きの透明ポリ袋やクリアファイルに挟んで保護した状態で窓口へ持ち込むのが最も安全な対処法です。
2. 破れたお札をそのままATMへ入金する危険性
「破れていても機械が吸い込めば口座に入るだろう」と考え、駅や銀行、コンビニのATMに入金しようとするのは絶対に避けてください。現代の高性能ATMはミクロン単位の厚みや光透過率、磁気特性を瞬時に検知しています。破れ目やテープの段差がある紙幣を挿入すると、高確率で内部ジャム(紙詰まり)を引き起こし、ATMが緊急停止します。機械の復旧に長時間を要して他の利用者に多大な迷惑をかけるだけでなく、詰まった拍子に紙幣がさらにズタズタに引き裂かれ、残存面積が減ってしまう二次被害を招きます。
3. コンビニや飲食店のレジで使おうとする行為の実態
破れた紙幣はコンビニで使えるかという疑問を持つ方も多いですが、店舗側のオペレーション規程により、受取を拒否されるケースが大多数です。店舗側には釣り銭として再流通させられない「損券」を受け取る義務はなく、セルフレジでも紙詰まり防止のため弾かれます。店員との無用なトラブルを避けるためにも、破損紙幣は商業施設で使おうとせず、金融機関へ持ち込むのが鉄則です。