日常生活で何気なく使われている「酷暑」ですが、気象庁の気象用語の区分において、実は「酷暑」という単語に明確な温度基準の定義はありません。気象庁の公式ガイドラインでは、予報用語としての正確性を期すため、正式な階級分けがなされています。
気象庁が定めている最高気温に関する正式用語は以下の3段階です。
- 夏日(なつび):日最高気温が25℃以上の日
- 真夏日(まなつび):日最高気温が30℃以上の日
- 猛暑日(もうしょび):日最高気温が35℃以上の日
2007年の予報用語改訂によって「猛暑日(日最高気温35℃以上)」が正式に導入される以前、報道機関などでは35℃を超える激しい暑さを表現する際に「酷暑日」や「酷暑」という慣用句を使用していました。現在でも、「酷暑」は極めて厳しい暑さを指す一般的な形容表現や季節の挨拶(時候の挨拶)として広く用いられていますが、気象観測上の正式名称は「猛暑日」に統一されています。
また、古典的な表現である「厳暑(げんしょ)」や、近年40℃超えを指す通称としてメディア等で散見される「極暑(ごくしょ・きょくしょ)」も、気象庁が正式に定めた区分ではありません。日本気象協会などが40℃以上の日を「酷暑日」と呼ぶ独自の提案を行った経緯はありますが、国の公的な観測定義としてはあくまで「35℃以上=猛暑日」が最高ランクの区分となっています。