ココナッツミルクが敬遠される最大の理由は、その極めて高い脂肪分と飽和脂肪酸の比率にあります。一般的な牛乳(普通牛乳)の脂質が100gあたり約3.8gであるのに対し、市販のココナッツミルク缶は100gあたり約15〜20gもの脂質を含んでおり、カロリーも約150〜190kcalと牛乳の3倍近くに達します。
さらに注目すべきは脂質の質です。ココナッツミルクの脂肪の大部分は飽和脂肪酸で構成されています。過剰な飽和脂肪酸の摂取は血中の悪玉(LDL)コレステロールを上昇させ、動脈硬化や心血管疾患のリスク因子になると指摘されることが少なくありません。これが「ココナッツミルク=体に悪い」という懸念の根源となっています。
しかし、近年の脂質研究では、ココナッツ由来の飽和脂肪酸は動物性脂肪(バターや牛脂など)の長鎖脂肪酸とは代謝経路が異なることが判明しています。善玉(HDL)コレステロールを押し上げる作用も併せ持つため、一概に有害とは決めつけられない多面性を持っています。