店頭で桃を選ぶ際、多くの人が「全体が濃い赤色に染まっているもの」を無意識にカゴへ入れがちです。しかし、桃の赤さは品種改良や袋掛けを外した際の日照による着色であり、必ずしも甘さに直結しているわけではありません。プロがまず確認するのは色合いではなく、左右対称の形をしているかどうかです。
桃は中心にある種(核)の周りに均等に実がつきます。受粉が完璧に行われ、栄養が偏りなく行き渡った個体は、縦に入る筋(縫合線)を挟んで見事な球形を描きます。一方で片側がいびつに膨らんでいたり歪んでいたりする個体は、日当たりや養分の偏りによって部分的な糖度ムラが生じている可能性が高くなります。
また、スーパーでの美味しい桃の選び方として最も重要なマナーは「絶対に触らない」ことです。桃の果肉は非常にデリケートで、指で軽く押しただけでも数時間後には茶色く変色してしまいます。目線を手元と同じ高さまで落とし、ネット越しに輪郭の丸みと全体の張りを観察することが、失敗しない第一歩となります。