これほどまでに過熱する人気を前にすると、「名前ばかりが先行して、実際の味は過大評価なのではないか」という疑念を抱く方も少なくないはずです。そこで、大手日本酒レビューサイト「SAKETIME」に投稿された膨大なテイスティング記録や、飲食店現場の声を徹底検証しました。
実飲した愛好家たちの声を分析すると、共通して挙げられるのは「香り先行の派手さではなく、芯のある米の旨味と驚異的な引きの良さ」です。一般的な純米大吟醸といえば、パイナップルやメロンを思わせるカプロン酸エチル系のフルーティーな香りが前に出ることが多い傾向にあります。しかし、田酒の純米大吟醸は、鼻孔をくすぐる上品な香りの奥に、どっしりとした米の凝縮感が潜んでいます。
「口に含んだ瞬間に広がるのは滑らかな甘味だが、中盤から心地よい酸が顔を出し、喉を通り過ぎた後は驚くほど綺麗に消える。飲み疲れが一切ない」(SAKETIME投稿者レビューより抜粋)
「和食の繊細な出汁の風味を殺さない。刺身はもちろん、塩焼きの魚ともケンカせず寄り添ってくれる稀有な大吟醸」(都内割烹店主の証言)
一方で、辛口な意見も存在します。「フルーティーで甘酸っぱい、今風のモダンな日本酒を期待して飲むと、拍子抜けするかもしれない」「クラシカルな酒質設計であり、純米酒の延長線上にある」という指摘です。田酒の原点はあくまでも「米の酒」。香り重視のモダン派日本酒とは目指すベクトルが異なるため、このスタイルの違いを理解していない一部の飲み手からは「期待したほど華やかではない」というミスマッチな感想が生まれることがあります。