ポテンショメータを電子回路やブレッドボードに組み込む際、誰もが一度は直面するのが「3本のピンをどう繋げばよいのか」という混乱です。標準的なロータリーポテンショメータを正面から見て、端子が下向きに出ている状態を基準に、それぞれの役割と接続ルールを整理します。
- 端子1(向かって左端):基準電源端子(VCC / 5Vまたは3.3V)
抵抗体の始端に接続されます。回路の電源ラインから安定した直流電圧を供給します。 - 端子2(中央):ワイパー出力端子(Signal / Vout)
抵抗体の上を移動する接点に直結しています。マイコンのアナログ入力ピン(ADC)や音響増幅回路の入力段へ接続し、可変した電圧を出力します。 - 端子3(向かって右端):グラウンド端子(GND / 0V)
抵抗体の終端に接続されます。回路の基準接地(GND)に落とします。
配線設計における最重要の鉄則は、「端子2(中央)に電源直結ラインを誤接続しないこと」です。もし中央の端子2に電源(VCC)を接続し、端子1または端子3のどちらかにグラウンド(GND)を接続してしまうと、ツマミを端まで回しきった瞬間に電源とグラウンドが内部の金属ブラシを介して直接ショートします。過電流が一気に流れ込み、内部のカーボン抵抗体が数秒で赤熱・蒸発して素子が破裂・焼損する重大事故に直結します。
なお、回転方向に対する出力特性(カーブ)の選択も重要です。計測機器や角度センサには回転角と出力電圧が完全に正比例する「Bカーブ(リニア特性)」が採用されます。一方、オーディオの音量調整には「Aカーブ(対数特性)」が必須です。人間の聴覚は音圧の対数変化をリニアな音量差として知覚するため(ウェーバー・フェヒナーの法則)、Bカーブを音量調整に使うと「少し回しただけで急激に爆音になり、後半はほとんど変化を感じない」という操作性の破綻を招きます。