「都市ガス物件からプロパン物件に引っ越したら、請求額が2倍になった」という声はSNS上でも常に溢れています。総務省統計局の家計調査や石油情報センターの公表数値を検証すると、プロパンガスの月額費用は都市ガスに比べて平均して約1.5倍〜2倍高額になる現実が浮き彫りになります。
なぜプロパンガスはこれほど高額になりやすいのでしょうか。その背景には、人件費を要する配送コストに加え、長年業界で批判されてきた「賃貸住宅の設備無償貸与(設備貸与商慣行)」という構造的な病理があります。
アパート建設時、ガス事業者が大家に対してエアコンやインターホン、給湯器、配管設備一式を「無償」で設置提供する見返りとして、入居者から徴収する毎月のガス料金にそれらの設備代金を上乗せして回収するビジネスモデルが横行してきました。これにより、入居者は使ったガス代だけでなく、物件の設備導入コストまで背負わされる構図が固定化していたのです。
こうした不透明な料金回収に対し、経済産業省は関係法令の改正を進め、設備費用と純粋なガス代金を分けた「3部料金制」の徹底や、不透明な上乗せ請求の是正を義務付ける動きを強化しています。しかし、既存の契約や地域によっては依然として割高な旧態依然の料金設定が残存しているため、契約前の防衛意識が欠かせません。