この楽曲の最大の魅力は、男性目線(チャーリー)と女性目線(セレーナ)の双方が描かれ、お互いに未練と後悔を抱えながらも決して交わらない「すれ違いの構造」にあります。まずはサビと象徴的なヴァースの日本語歌詞と、そこに込められた英語のニュアンスを紐解いていきましょう。
【Chorus / サビ】
We don't talk anymore, we don't talk anymore
We don't talk anymore, like we used to do
We don't love anymore
What was all of it for?
Oh, we don't talk anymore, like we used to do
【サビの和訳】
僕たち、もう話すこともないよね
昔みたいに語り合うことなんて、もう二度とない
愛し合うこともなくなってしまった
あの時間は一体何のためだったんだろう?
そう、僕たちはもう話さない、あの頃のようには
英語解説として注目すべきは、「like we used to do」というフレーズです。「used to」は「過去には日常的に〜していたが、現在は完全に途絶えている」という強い対比を含みます。ただ連絡を取っていないという事実の伝達ではなく、「毎晩のように他愛のない話をしていた親密な過去」が失われた痛烈な喪失感を強調しています。
【Verse 2:セレーナ・ゴメス パート】
I just heard you found the one you've been looking
You've been looking for
I wish I would have known that wasn't me
'Cause even after all this time, I still wonder
Why I can't move on
Just the way you did so easily
【セレーナ・パートの和訳】
風の噂で聞いたわ、あなたがずっと探していた運命の人を見つけたって
それが私じゃなかったなんて、最初から分かっていればよかった
だって、こんなに時間が経った今でも不思議でたまらないの
どうして私は前へ進めないんだろう
あなたはあんなにも簡単に新しい恋へ踏み出したというのに
セレーナのパートでは、女性側のリアルな葛藤が炸裂します。「I wish I would have known that wasn't me(それが私ではないと知っていれば)」という仮定法過去完了には、相手に注いだ時間と心へのやりきれなさが凝縮されています。洋楽ラブソングの和訳において、表面的な言葉の直訳以上に、語り手のプライドと脆さが同居する心理状態を汲み取ることが不可欠です。