谷口が長年住み慣れた日本を離れ、海外へと戦いの場を移した際、二人の距離は物理的に一気に離れることとなった。アスリートにとって、過酷な海外移籍は人生の大きな転換点だ。言葉の壁、食文化の違い、そして代表戦によるハードな移動。時差と距離に阻まれる日常の中で、従来の「頻繁に会う」という関係性を維持することは容易ではない。
一般的に、こうした長距離関係は関係の終焉を告げる引き金になりやすい。実際、メディアは事あるごとに「距離によるすれ違い」「破局の危機」を書き立てた。しかし、関係者が口を揃えるのは、互いの挑戦を誰よりも理解し、応援し合っていたという事実だ。互いの時間を尊重し、自立した個として存在し続けること。それが彼らのスタイルだった。