天才的な才能を持つ羽生善治の家庭生活を語るうえで、元女優で妻の畠田理恵の存在を外すことはできない。メディアの過熱な取材から子供たちのプライバシーを徹底して守り抜き、伸びやかな環境を整えたのは彼女の献身的な支えがあったからだ。
羽生家における教育方針は、「自己決定の尊重」に集約される。勝敗がすべての世界で生きる羽生善治と、温かい愛情で家庭を包み込む畠田理恵。ふたりが一致していたのは、子供に過度なプレッシャーを与えず、興味を持った物事を徹底的に追及させる姿勢だった。手放しの放任ではなく、必要な時にそっと背中を押す距離感の妙が、子供たちの豊かな人間性を育んだ。