結論から言えば、「手遅れになる前に動く」ことの重要性は増しているが、全財産を一気に投げ打つような拙速な行動は避けるべきだ。日本銀行の植田和男総裁が金融正常化に向けた慎重な歩みを進める一方で、米国の連邦準備制度理事会(FRB)を率いるジェローム・パウエル議長は、根強いインフレ圧力と労働市場の強靱さを天秤にかけながら政策金利の舵取りを続けている。
日米の金利差は縮小へ向かうと囁かれながらも、そのピッチは極めて緩慢だ。実質金利の差が埋まらない限り、ドルの優位性が根本から崩れるシナリオは描きにくい。足元での乱高下に一喜一憂するのではなく、構造的な円安圧力に対して時間分散を利かせながら米ドルをポートフォリオに組み入れる姿勢が、今まさに求められている。