本作を語る上で避けて通れないのが、放送媒体ごとに施された「規制のグラデーション」です。2010年1月にTOKYO MXなどで放送が開始されたテレビ地上波版では、放送倫理や自主規制ガイドラインの抵触を避けるため、ソーマ吸引シーンや女性キャラクターの露出部分に「神聖な紋章」「謎の閃光」「黒い影」「画面の大胆なトリミング」が多用されました。視聴者の間では「もはや何が起きているのか視認できない」「光が激しすぎてバトルに集中できない」といった声が相次ぎ、演出としての異様さが逆にネット上で大きな話題を呼ぶ結果となりました。
これに対し、有料CSチャンネルである聖痕のクェイサー AT-X 違いとしては、年齢制限枠(R15+指定)を設けることで一部の露出表現が緩和された特別バージョンがオンエアされました。しかし、最も完全な形でクリエイターの本来の意図を再現したのは、後にリリースされた聖痕のクェイサー ディレクターズカット版です。パッケージ版および限定的な規制解除配信では、テレビ放送時に画面を覆っていたすべてのマスキングが撤廃され、乳首の作画や吸引時の液体描写、肌の質感に至るまで緻密なリテイクが施されました。
さらに、コミックス単行本第10巻の予約限定版に同梱された聖痕のクェイサー OVA 規制なし(タイトル『女帝の肖像』)では、テレビシリーズの枠組すら超えた成人向け作品に肉薄する描写が展開され、当時のファンの度肝を抜きました。以下の比較表は、メディアごとの表現レベルと流通形態の違いを整理したものです。