トマトの支柱立てにおいて、プロ農家と初心者の間で最も差がつくのが「支柱を立てる時期」です。ネット上の一部情報では「苗が倒れそうになったら立てる」と書かれているケースも見受けられますが、これは植物生理学的に大きな誤りです。根が四方に伸びた後に太い支柱を地中に深く突き刺すと、伸長中の主要な根(一次根・二次根)を広範囲に切断してしまい、活着不良や青枯れのリスクを跳ね上げてしまいます。
そのため、支柱を立てる最適な時期は「定植(苗の植え付け)と同時」が絶対条件です。植え付け直後であれば、根鉢の外側を狙って安全に支柱を深く差し込むことが可能です。定植直後は細い仮支柱(竹串や割り箸、細いプラスチック支柱)で斜めに支え、本葉が5〜6枚展開して草丈が30cmを超えた段階で本支柱へと切り替えるか、最初から本支柱を垂直または斜めに設置して初期誘引を行うのが現場の基本セオリーです。
支柱の長さ選びにおいては、栽培するトマトの品種と仕立て方に合わせることが不可欠です。中玉・大玉トマトや、長期間収穫を続けるミニトマトは、最終的に草丈が1.5m〜2m以上に達します。地中に30cm以上埋め込む深さを計算に入れると、選ぶべき支柱の規格は自ずと定まります。
- ミニトマト(あんどん仕立て・プランター):長さ120cm〜150cm / 太さ11mm〜16mm
- ミニトマト・中玉トマト(直立1本仕立て):長さ180cm〜210cm / 太さ16mm
- 大玉トマト(合掌造り・露地栽培):長さ210cm〜240cm / 太さ16mm〜20mm
100円ショップ(ダイソー等)で手に入る支柱は、草丈の低いわい性ミニトマトや育苗期の仮支柱としてはコストパフォーマンスに優れますが、大玉トマトの盛夏期には強度が不足し、実の重量にしなって折れるトラブルが多発しています。主枝を支える本支柱には、イボ付き鋼管(オベリスクや園芸用イボ竹)の直径16mm以上を選択することが長期安定栽培の鍵となります。