役者・長瀬智也を語る上で、脚本家・宮藤官九郎との蜜月関係を外すことはできない。TBSテレビを舞台に放たれた数々の金字塔は、単なるテレビドラマの枠を遥かに超越していた。2000年代初頭のストリートカルチャーをそのままパッケージした『池袋ウエストゲートパーク』の真島誠。伝統芸能と落語の融合を鮮やかに演じきった『タイガー&ドラゴン』の山崎虎児。
そして、表舞台を去る直前に届けられた傑作『俺の家の話』。介護と能楽という重層的なテーマを背負いながら、肉体を限界までビルドアップして演じきったプロレスラー・観山寿一の姿は、まさに長瀬自身の生き様と重なり合っていた。宮藤が紡ぎ出す愛すべき不器用な男たちに命を吹き込める役者は、日本のドラマ史を見渡しても長瀬智也の右に出る者はいない。