四半世紀にわたって愛される中で、『A・RA・SHI』の歌詞や制作背景を巡っては、インターネット上でいくつかの事実誤認や俗説が広まっています。一次情報と関係者の証言をもとに、それらの盲点を検証・是正します。
最も典型的な誤解は、「サクラップの歌詞はデビュー曲の時点で櫻井翔本人が作詞していた」という言説です。実際には前述の通り、『A・RA・SHI』のラップ詞は作詞者である菊池常利氏(J&T)によって書かれたものであり、櫻井氏自身が公式にシングルのラップ作詞を手がけるようになったのは、2003年の11thシングル『言葉より大切なもの』以降のことです。最初から自分の言葉だったのではなく、与えられたリリックと格闘し、ヒップホップの本質を追求した末に自作へと舵を切ったというプロセスこそが、櫻井翔氏の音楽的誠実さを物語っています。
また、サビの「You are my SOUL! SOUL!」というフレーズについて、ネット上では「単なるノリ重視の語呂合わせ」と片付けられることがあります。しかし、作詞者の菊池常利氏は後のインタビューで、「単に熱狂を煽るだけでなく、聴き手と歌い手が魂で結びつくような、深い共鳴を意図していた」と語っています。表面的な派手さの裏に、リスナーとの一対一の信頼関係を結ぼうとする強い祈りが込められていたのです。