今回の騒動において、決定打となったのは「単一の要素」ではなく、「振り付け・衣装・歌詞」という3つの視覚・言語情報がナチス・ドイツや軍国主義のイメージと偶然にも完全に符号してしまった点にあります。
第一の要因は、問題視された振り付けのポーズです。メンバー全員が統制された隊列を組み、右腕を高く掲げる動作は、ヨーロッパ諸国で法律により公の場での使用が厳しく禁じられている「ナチス式敬礼(ヒトラー敬礼)」そのものに見えるという指摘が相次ぎました。
第二の要因は、黒と赤を基調とした軍服風衣装です。コートのシルエットや胸元の装飾、腕章を想起させるディテールが、かつてのナチス親衛隊(SS)や全体主義国家の軍装を強く連想させるデザインとなっていました。
そして第三の要因が、攻撃的なワードを含む歌詞です。作中には「Far east(極東)」「愛の旗を掲げ」「世界を塗り替える」といったフレーズが散りばめられており、これらが「極東からの侵略」「ファシズム的な選民思想」のメタファーとして解釈されてしまったことが、炎上を決定的なものにしました。