口の中の局所的な問題だと高を括っていた症状が、実は致命的な全身疾患の初期徴候だったという事例は後を絶たない。心臓疾患や脳血管障害のリスクを抱える患者において、舌下静脈(舌の裏側にある血管)が紫黒くにょろにょろと太く怒張しているケースが頻繁に観察される。
これは東洋医学でいう「瘀血(おけつ)」、すなわち血流障害や血管硬化のシグナルであり、循環器内科での精査が必要なサインだ。また、糖尿病患者では唾液分泌量の低下に伴い、黒い毛が生えたように見える「黒毛舌」が発生しやすくなる。これは真菌や細菌の代謝物が色素沈着を起こしたものであり、血糖コントロールの悪化を告げる警告灯にほかならない。