ネット上の掲示板やSNSでは、今なお「大学職員は仕事が楽でノルマがなく、17時に帰れて夏休みが1カ月ある最高の仕事」という、いわゆる大学職員ホワイト理由の言説が拡散されています。しかし、この言説の半分は過去の遺物であり、残る半分は限定的な部署の側面にすぎません。
文部科学省の学校基本調査が示す通り、18歳人口の減少カーブは加速度を増しています。受験料収入と学費に依存してきた私立大学は、生き残りを賭けた構造改革を余儀なくされています。その結果、現在の大学事務求人が求める職務は、窓口での証明書発行や教務手続きといった定型業務ではなく、明確な成果を求められる「経営戦略の実行部隊」へとシフトしました。
現場を激務化させている要因の第一が、入試広報と学生獲得競争の過熱です。オープンキャンパスの企画運営、地方高校への営業活動、WEBマーケティングによる出願促進は、土日返上で行われるケースが通例です。第二に、文科省や外部機関への競争的資金(科学研究費や大型補助金)の申請書作成、IR(インスティテューショナル・リサーチ)に基づく学内データ分析、さらには学内情報システムのDX化推進など、高度な専門性を要するプロジェクトが山積しています。
学期始めや入試シーズン(12月〜3月)には月間残業時間が40〜60時間を超える部署も多く、いわゆる「完全定時退社」は、一部の専門部署や定型業務を担う契約・派遣職員に限られつつあるのが2026年現在の冷徹な現実です。