これまで長年にわたり、「たいと」はパソコンやスマートフォンでは絶対に打ち出せない「外字の象徴」とされてきました。Windowsの標準IMEやiOSの日本語キーボードで「たいと」「おとど」と打ち込んでも変換候補には一切現れません。
しかし、文字コード国際標準化の歩みによって歴史は動きました。2026年3月に正式リリースされた「Unicode 13.0」のCJK統合漢字拡張G(Extension G)において、ついに「たいと」が採用・規格化されたのです。
割り当てられた符号位置コードは以下の通りです。
- Unicodeコードポイント:U+3106C
- 文字ブロック: CJK Unified Ideographs Extension G
これにより、情報処理の国際基盤において「この文字が存在する」という公式IDが付与されました。ただし、日常のPCやスマートフォンでこの文字を美しく画面表示・入力させるには、以下の技術的条件をクリアする必要があります。
もっとも確実な方法は、オープンソースで無料配布されている超大規模漢字フォント「花園明朝A/B(HanaMin)」や、最新のUnicode拡張ブロックに対応したフォント(例: 漢文・仏典研究用の外字フォント環境)をご自身の端末にインストールすることです。フォント導入済みのPC環境であれば、Wordなどのリッチテキスト上で「3106C」と打ち込み、Altキーを押しながらXキーを押下することで、実体のフォントグリフが画面に瞬時にレンダリングされます。
なお、手書き入力で試みる場合、筆順の基本原則は厳格です。「まず上部の雲(䨺)を左・右・下の順で仕上げ、その後に下部の龍(龘)を左・右・下の順で書き下ろす」形をとります。各パーツの画数抜けが1画でもあると、文字認識AIやOCRは一切判別しないため、84画の完全な運筆が要求されます。