本作を振り返る際、ファンの間で長年議論されてきたのが「この作品が乃木坂46卒業の直接の引き金になったのではないか」という言説です。ドラマの放送は2018年1月〜3月期であり、西野七瀬がグループからの卒業を発表したのは同年9月、活動終了は同年末でした。時期の近さから「電影少女の成功で女優一本で行く決断をした」と解釈されることが少なくありません。
しかし、公式インタビューや関係者の手記を照らし合わせると、これは事実の一側面に過ぎません。西野本人はグループ在籍時から表現に対する強い探究心を持っていましたが、本作の過酷な撮影を乗り切ったことで「一人で現場に立ち、作品の責任を背負うことの厳しさと面白さ」を実感したのは確かです。
「アイドルとしての守られた環境」から飛び出し、剥き出しの個人としてクリエイティブにぶつかり合った経験が、彼女に次のステージへと進む自信と覚悟を与えたのは紛れもない事実です。本作は卒業の引き金というよりも、彼女が自立した表現者へと脱皮するための「決定的な通過儀礼」だったと位置づけるのが正確です。