『MIX』において、上杉達也という存在は単なる過去のキャラクターにとどまらず、物語全体を包み込む「見えない主人公」とも呼ぶべき立ち位置を確立しています。連載初期から多くの読者が「何話で本人が現れるのか」と固唾をのんで見守ってきました。
結論から言えば、原作漫画において上杉達也は「回想シーン」「過去の写真」「当時の甲子園優勝ビデオ」「周囲の人物による述懐」という形で幾度となく登場を果たしています。しかし、現在の時間軸において白髪交じりの壮年となった達也が立花兄弟の前に直接姿を現すシーンは、作者の意図的な抑制によって極めて限定的にコントロールされています。
アニメ版『MIX MEISEI STORY』では、ファンを歓喜させる演出が施されました。『タッチ』で上杉達也役を務めたレジェンド声優・三ツ矢雄二氏がキャスティングされ、ナレーションや回想シーンにおける達也の台詞を担当。第1話の冒頭から響き渡る三ツ矢氏の声は、本作が正統なる『タッチ』の系譜であることを鮮烈に印象づけました。