家族社会学および教育心理学の知見に照らすと、不登校からの進路再生において最も陥りやすい落とし穴は、親子の「共依存」と「境界線の曖昧さ」です。全日制に通えなくなった我が子を前にして、保護者が過剰な罪悪感を抱き、子どもの意思確認を置き去りにして学校選びを主導してしまう事例が後を絶ちません。
わせがく高校は、生徒自身の自発的な「変わりたい」という萌芽を育む環境としては極めて秀逸です。しかし、親が無理にレールを敷いて入学させた場合、生徒は登校しないことで無意識に親への抵抗を示し、再び引きこもりに陥るリスクがあります。
わせがく高校への進学が極めて適している生徒の条件
・全日制の一律な集団行動や校則に息苦しさを感じていたが、大学進学の目標は捨てていない生徒
・自分の体調やメンタルの波を理解し、週2〜3日登校などのスモールステップからリハビリを始めたい生徒
・予備校に通う余力はないが、質の高い大学受験指導や指定校推薦枠を校内で手に入れたい生徒
進学に際して慎重な検討を要する生徒・家庭の条件
・「通信制なら何もしなくても先生が全部やってくれる」と他力本願になっている家庭
・制服を着て毎日大人数のクラスメイトと部活動や文化祭に熱狂したいという、伝統的全日制ライフへの未練が断ち切れていない生徒
・親が学歴ブランドのみを重視し、子どもの心のエネルギーが完全に枯渇している段階で早期復帰を急かしている家庭
回復には順序があります。まずは「休養による心のエネルギー充填」、次に「安心できる居場所の確保」、そして最後に「学力や進路への挑戦」です。わせがく高校はこのステップを無理なく登るための梯子を提供してくれる教育機関ですが、梯子を上る主体はあくまで生徒自身であることを家族間で共有しておく必要があります。