この前代未聞の騒動の発端は、スコットランド沖の小さな島・コロンセイ島で行われた結婚式でした。結婚を控えた新婦の母親が、式で着用するために撮影して娘へと送信した1枚のスマートフォン写真。そこに写っていた衣服の色を巡り、家族の間で「白と金青と黒どっちに見えるか」という猛烈な意見の衝突が起きたのです。
新郎新婦の友人であったミュージシャンのケイトリン・マクニール氏が、決着をつけるべくタンブラー(Tumblr)に画像を投稿したのは2015年2月26日のことでした。この素朴な疑問は瞬く間に海を越え、ネットの反応と大論争は天文学的な規模へと拡大します。テイラー・スウィフト氏やキム・カーダシアン氏といった世界的セレブリティが次々とSNS上で自身の見え方を投稿し、BuzzFeedなどの大手Webメディアが取り上げたことで、公開後わずか1週間で世界累計1,000万件以上の関連ツイートを記録する空前の社会現象へと発展しました。
日本国内でも深夜から早朝にかけてTwitter(現X)のトレンドランキング上位を独占し、大手情報番組がこぞって街頭インタビューを実施。「何度見ても白と金にしか見えない」「どう考えても青と黒以外の選択肢はない」と、自分の知覚を信じる人々同士が真っ向から衝突する事態となりました。これが、現代のデジタル文化史に深く刻まれた「白と金のドレス元ネタ」の全貌です。