女子少年院をめぐっては、一般的な犯罪報道のイメージから派生した様々な誤解が根強く存在します。読者が知っておくべき決定的な盲点を整理します。
誤解1:凶悪犯罪を犯した少女ばかりが集まっている
重大な殺人や強盗致死などを犯した少年は、家庭裁判所から検察官送致(逆送)され、刑事裁判を経て刑務所に送られます。女子少年院に収容されている少女の多くは、凶悪犯ではなく、自己破壊的な薬物乱用、家庭からの逃走に伴う売春、ネットで知り合った悪質グループに巻き込まれた詐欺の道具(受け子)など、周囲の搾取構造に飲み込まれたケースが大半です。
誤解2:少年院に入ると戸籍に「前科」が記録される
少年院送致は刑法上の「刑罰」ではなく、児童福祉や教育的観点から行われる「保護処分」です。そのため、法律上の前科(有罪判決の履歴)はつきません。警察や検察の内部記録として「前歴」は残りますが、戸籍や住民票に記載されることは一切なく、一般企業が身元調査で公的記録から前科として照会することも不可能です。
誤解3:刑務所と同じように強制労働が行われている
刑務所では刑罰の一環として「刑務作業」が科されますが、少年院で行われる作業は「職業指導」です。パソコン操作、介護職員初任者研修、調理、被服製作など、出院後の経済的自立を目的とした資格取得や技能習得がカリキュラムの中心となっています。