鯉江良二の真骨頂は、静止した展示空間の中だけに留まらない。彼は野外の現場で土を積み上げ、その場で窯を組み、炎を焚き上げる荒々しい野外焼成パフォーマンスを世界各地で繰り広げた。国境や言語の壁を越え、現地の土と対話しながら一気に焼き上げるライブ感は、従来の陶芸業界におけるおしとやかなイメージを根底から覆した。
かつてNHKアーカイブスに記録された映像資料には、泥まみれになりながら全身全霊で土と戯れ、炎と一体化する彼の姿が鮮明に残されている。見物人を巻き込み、自然環境そのものを表現の場に変えてしまう圧倒的なカリスマ性。こうしたパフォーマンスアートとしての側面は、絵画や彫刻といった従来の枠組みを超えた総合芸術として、現在の現代アート市場でも極めて高い評価を獲得する要因となっている。