鳥獣対策を語る上で欠かせないのが「食肉利活用(ジビエ)」とのバランスだ。状態が良く衛生的な個体は食肉処理施設へと回され、地域ブランドのジビエ肉として流通する。しかし、山奥で発見された個体や、捕獲から時間が経過した個体、あるいは幼体などは食肉に回すことができず、これまでは処分に困窮していた。
減容化施設が完成することで、ジビエ推進・鳥獣処理産業と「非食用個体の減容処理」の役割分担が極めて明快になる。食用に適する個体は余すことなく価値ある資源として流通させ、食用に適さない個体は新施設で安全かつ迅速に減容化する。二重の受け皿が完成することで、捕獲された命の無駄をなくし、地域資源の価値を最大化する理想的な循環モデルが立ち上がる。
狩猟者にとっても「捕獲した個体を確実に受け入れてもらえる環境」が整うことは、狩猟活動へのモチベーション向上に直結する。若い担い手の参入を促す呼び水としても、この共存体制は大きな意味を持つ。