現場を継続して定点観測すると、新宿駅南口の窓口には特定の時間帯に長い行列が形成される規則的なパターンが見えてきます。取材班の調査と利用者の証言を突き合わせると、窓口前に設置されたパーテーションロープに何重もの列ができ、待ち時間が30分から最大60分以上に及ぶ時間帯が明確に存在します。
混雑のピークは、第一に午前中の10:00〜12:00(観光出発客や当日切符の手配客)、第二に夕方の17:00〜19:30(退社後のビジネス客や週末のお出かけ客)です。さらに毎月の月末・月初、とりわけ春先の3月下旬から4月中旬にかけては、通学定期券や新規通勤定期券を求める学生・新社会人でフロアが溢れかえります。
なぜ券売機があるにもかかわらず、窓口だけがこれほど混み合うのでしょうか。現場の窓口を観察すると、1人あたりの接客時間が長期化している実態が浮かび上がります。訪日外国人観光客(インバウンド)によるジャパン・レール・パスの引き換えや複雑な周遊ルートの相談、紙の割引証を持参したシニア層の手続き、さらには列車の運休・遅延に伴う特急券の払い戻し処理など、1件あたり10分〜15分を要する高難度案件が窓口に集中しているためです。
駅構内のサイネージには待ち人数や推定待ち時間が表示される仕組みが導入されつつありますが、公式アプリ等で完全な秒単位のリアルタイム待ち時間を外部から遠隔把握するのは技術的にまだ途上です。そのため、急ぎの移動を控えている状況で「直前に南口窓口に並んで新幹線チケットを買う」という選択は、乗り遅れのリスクが極めて高い危険な行動と言わざるを得ません。