インターネット上の質問掲示板などで頻繁に見られる危険な誤解が、「姪が先に亡くなっていた場合、その子どもが代わりに相続できるのか」という疑問に対する回答の乱れです。ここには民法上、直系卑属とは異なる極めて厳格な境界線が引かれています。
まず続柄の定義として、姪の子の呼び方と親等を整理します。姪の子は「大姪(おおめい)」または「姪孫(てっそん)」と呼び、親等としては四親等の傍系血族に該当します。
直系卑属である「子ども」が先に亡くなっている場合、その子ども(孫)へ、孫も亡くなっていればその子ども(ひ孫)へと、世代が続く限り何代でも代襲相続(再代襲・再々代襲)が可能です。ところが、兄弟姉妹が相続人となるケースでは、昭和55年(1980年)の民法改正によって代襲相続は一代限り(甥・姪まで)と明確に限定されました。
すなわち、被相続人より先に兄弟姉妹が亡くなり、さらにその子どもである姪も亡くなっていた場合、大姪(姪の子)へ権利が引き継がれる「再代襲相続」は法的に一切発生しません。大姪がどれほど献身的に叔父・叔母の身の回りを世話していたとしても、遺言書が存在しなければ、法律上の相続権はゼロとなります。この「再代襲の禁止」を見落としていた結果、財産が国庫へ帰属してしまったり、遠縁の他の親族へ流出したりするケースが多発しています。