ネット上の情報やコミュニティにおいて時折見られる誤解や疑問について、事実関係を整理して検証します。
誤解1:「視聴率低下によって打ち切られた」という噂の真相
一部で「視聴率低迷による終了」と噂されることがありますが、これは明確な誤りです。2016年の『鬼平犯科帳 THE FINAL』(前編「二年目の客」、後編「一本眉」)は、中村吉右衛門自身が「自らの体力・気力が充実しているうちに、長谷川平蔵役を完璧な形のまま幕引きとしたい」と申し出たことによる、円満かつ計画的なフィナーレでした。放送第150話という節目を迎え、共演者・スタッフ全員が吉右衛門の偉業を称えながら有終の美を飾ったのが真相です。
誤解2:「新シリーズ(松本幸四郎版)と吉右衛門版は対立している?」
2024年からスタートした十代目松本幸四郎主演の新シリーズに対して、「吉右衛門版とどちらが良いか」という比較論争がSNS上でしばしば巻き起こります。しかし、幸四郎は吉右衛門の実の甥であり、松本白鸚(初代)・中村吉右衛門(二代目)と受け継がれてきた「高麗屋・播磨屋の芸の血脈」を正統に継承する存在です。
吉右衛門自身が生前、幸四郎に対して役者としての薫陶を授けていた経緯もあり、新シリーズは吉右衛門版を否定するものではなく、偉大な叔父への敬意を胸に新たな世代へ池波歌舞伎・時代劇文化をリブートする挑戦として位置づけられています。