庚申の「申(さる)」にちなみ、堂内や境内のいたるところに猿のモチーフが見られます。特に有名なのが「見ざる・言わざる・聞かざる」の三猿です。
日光東照宮の彫刻で広く知られる三猿ですが、庚申信仰においてはより直接的な防御の意味を持ちます。「他人の欠点や悪事を見ない、言わない、聞かない」という道徳的な教訓であると同時に、「自分の悪事を三尸の虫に見せない、言わせない、聞かせない」という天帝への告げ口封じの結界でもありました。
四天王寺庚申堂の三猿は、山門の扁額や灯籠、堂内の調度品など様々な場所に潜んでいます。参拝の際は、境内に散りばめられた三猿の意匠を一つひとつ探してみるのも、この霊場ならではの醍醐味です。