うな重とうな丼の違いについて、「鰻の品質が違うのでは?」と誤解されることが少なくありません。しかし実態として、使われている鰻の質そのものに差をつけている名店はごく稀です。
決定的な違いは「鰻の量(切れ数)」と「器の格式」です。うな丼は気軽に素早くかき込める庶民の日常食として丼鉢で供され、うな重は蓋を開ける瞬間の香りや美しさを愛でるフォーマルなもてなしの料理として重箱が用いられます。重箱に鰻をびっしりと隙間なく敷き詰めることには、「福が重なる」「贅沢を重ねる」という縁起担ぎの意味も込められています。
うな重のお品書きに見られる「松・竹・梅」や「上・特上」のランク分けも、鰻のクオリティ差ではなく、純粋に「鰻が何尾分(何グラム)載っているか」の分量差であることが業界の標準です。