「箇条書きを手っ取り早く図解化したい」と考えたとき、多くの人が反射的に頼るのがパワーポイント標準機能の「SmartArt(スマートアート)」です。しかし、ここには資料を致命的に野暮ったく見せてしまう巨大な落とし穴が潜んでいます。
SmartArtをデフォルト設定のまま挿入すると、2000年代前半を彷彿とさせる光沢グラデーション、不自然な立体効果(斜め配置やシャドウ)、ビビッドすぎる多色パレットが適用されます。デザインの文脈において、これらは「テンプレートに文字を流し込んだだけの手抜き資料」というネガティブなメッセージを聞き手に発信してしまいます。ビジネスの最前線で求められるのは過剰な装飾ではなく、情報の整理です。
パワーポイント SmartArt 活用法の正解は、「骨組みだけを借りて、即座に図形へ変換する」という裏ワザにあります。SmartArtでレイアウトの枠組みを生成した後、右クリックメニューから「図形に変換」を選択(または[Ctrl]+[Shift]+[G]キーでグループ解除)します。その後、立体効果やグラデーションをすべて解除し、フラットな単色塗りつぶしへと修正。フォントを用紙全体の統一フォントに揃えるだけで、プロが1から作り込んだような洗練された図解スライドへと昇格します。
また、どうしてもテキスト中心の箇条書きを残さざるを得ない場合でも、伝わるプレゼン箇条書き記号変更のテクニックが極めて有効です。真っ黒な中黒(・)をそのまま使うのではなく、「ホーム」>「箇条書きと段落番号」から記号の色を自社のコーポレートカラーやアクセントカラー(鮮やかなブルーなど)に変更し、サイズを文字の「80%」程度に縮小します。このわずかな手間で、文字の塊だったスライドに視覚的なリズムが宿ります。