年越しのライフスタイルそのものも、かつての画一的なパターンから大きく解き放たれつつある。かつては家族揃ってNHK紅白歌合戦を視聴し、除夜の鐘を聞きながら年越し蕎麦を啜るのが大晦日の定番だったが、現在ではNetflixなどのストリーミング配信で個々人が好きなコンテンツを消費しながら新年を迎えるスタイルが珍しくなくなった。
年が明けてからの行動様式も同様だ。伝統的な正月行事や近所の神社仏閣への初詣を欠かさない人々がいる一方で、元旦から営業する商業施設へ足を運んだり、混雑を避けて自宅で静養したりと選択肢は広がっている。祝祭空間の個人化が進むにつれ、「おめでとう」という言葉が持つ祝祭性の重みも、厳かな儀礼から親しい者同士のカジュアルな共感確認へとシフトしつつある。