『キャタピラー』を手掛けた異才・若松孝二監督と寺島しのぶの師弟関係のような強い絆も、ファンの間では有名な話だ。若松監督は一貫して国家や社会の矛盾を問い続け、時に過激な性描写を用いて人間の本質を暴いてきた。寺島しのぶはその意図を深く理解し、監督の情熱に応えるべくカメラの前で全てをさらけ出した。
「綺麗に見せるための濡れ場はいらない」という姿勢で挑んだ一連の若松作品。過激なシーンに秘められた真実とは、社会の暴力や理不尽に対抗するための純粋な人間のエネルギーの爆発だったのだ。信頼する監督との二人三脚があったからこそ、彼女の表現は世界の頂点へと到達した。