『好きな人がいること』の制作において、知英自身が作詞作業に深くコミットした事実は広く知られています。日本語での日常会話はもちろん、微妙なニュアンスの表現まで完璧に習得していた彼女は、ドラマの台本を読み込み、ヒロインの心の揺らぎを自らの言葉に落とし込んでいきました。
「もし5分前に戻れるなら」「あの時言えなかった言葉」という冒頭のフレーズに象徴されるように、歌詞に描かれているのは後悔と小さな勇気、そして不器用な乙女心です。知英は当時の特番インタビューにおいて、「自分自身も仕事や生活の中で『あの時に戻れたら』と思う瞬間がたくさんある。恋に悩む女の子だけでなく、毎日を一生懸命に生きるすべての人が共感できる等身大の言葉を選びたかった」と明かしています。
さらに楽曲の魅力をビジュアル面で決定づけたのが、写真家・映画監督の蜷川実花が手掛けたミュージックビデオです。グアムの青空、ビビッドな原色の街並み、海辺のチャペルをバックに撮影された映像は、知英の持つイノセントな輝きを最大限に引き出しました。振付師が考案したサビの「スキことダンス(JYダンス)」は、誰もがすぐに真似できる親しみやすさを持ち、視覚と聴覚の双方からリスナーを虜にしたのです。