鬼滅の刃・累の悲しき過去と最期|なぜ無惨は彼を特別扱いしたのか

鬼滅の刃・累の悲しき過去と最期|なぜ無惨は彼を特別扱いしたのか

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鬼殺隊の隊士たちが次々と蜘蛛の糸に操られ、仲間同士で斬殺し合う地獄絵図と化した那田蜘蛛山。炭治郎たちが足を踏み入れたその山を絶対的な恐怖で統治していたのが、十二鬼月「下弦の伍」の座に就く累でした。公式プロフィールによると、累の肉体は身長135cm、体重30kg。蜘蛛の脚を模したような特徴的な白髪と蜘蛛の巣の意匠が入った白い着物を纏い、空中に張られた不可視の糸の上で物憂げにあやとりを興じる姿は、少年特有の無邪気さと鬼の異形性が混ざり合った不気味さを漂わせていました。

累というキャラクターの底知れない恐怖と哀哀たる陰影を決定づけたのが、アニメ版で声を担当した声優・内山昂輝氏の演技です。制作陣が明かしたキャスティングの意図通り、感情の起伏を極限まで削ぎ落とした静謐な低音ボイスは、他者の命を糸一本で切り刻む冷徹さと、心にぽっかりと空いた空洞の痛々しさを同時に体現していました。現場の音響監督やアニメーション制作のufotable関係者が後のインタビューで語ったところによれば、テスト収録の第一声からスタジオの空気が凍りつくほどの説得力を持っていたと証言されています。

累が口にした「僕たち家族の静かな暮らしを邪魔するな」「僕たちは家族5人で幸せに暮らすんだ。僕たちの絆は誰にも切れない」という言葉。それは一見すると平穏を望む少年の願いのように聞こえますが、その実態は恐怖と暴力で他者の鬼を縛り付け、自らが望む「役割」を強制するおぞましい主従関係に過ぎませんでした。

山田 真由
著者

山田 真由

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