ドライバーの間で根強い誤解の一つに「優先道路を走っていれば、事故が起きても自分は過失割合ゼロ(10対0)になる」というものがあります。しかし、実際の裁判例や損害保険の実務基準において、交差点での四輪車同士の出会い頭事故で優先道路側が過失0%になるケースは極めて稀です。
典型的な四輪車同士の出会い頭事故における基本過失割合(過失相殺基準)は以下のようになっています。
・【優先道路 vs 非優先道路(一時停止なし)】:10対90(優先道路側が10%)
・【広路 vs 狭路(同等の一時停止なし)】:20対80(広路側が20%)
・【優先関係なし・同幅員(左方車 vs 右方車)】:40対60(左方車が40%)
優先道路側であっても、基本割合として「10%」の過失が認められるのが通例です。道路交通法には「交差点進入時の安全進行義務(第36条第4項)」があり、優先道路側にも周囲の状況に対する前方注視義務や安全配慮義務が課されているためです。
さらに、優先道路側に「時速15km以上の速度超過」や「スマートフォン注視などの著しい前方不注視」といった過失があれば、過失割合は20%〜30%以上に加算されます。「優先道路だから相手が止まるはず」という過信は、法的な責任の観点からも絶対に避けなければなりません。