伝統を守るだけでは生き残れない。2020年代後半の厳しい外食環境を生き抜くため、厨房には新たな風が吹き込んでいる。創業者の思いを受け継いだ二代目が乗り出したのは、伝統の味をそのままに、デジタル技術を柔軟に取り入れるハイブリッドなアプローチだ。
仕込みの様子や毎日の限定メニューをショート動画で紹介すると、その圧倒的な映像美と臨場感が一気に拡散。国内の若者にとどまらず、海外のフード系インフルエンサーの目にも留まった。今や店内には英語や中国語のメニューが用意され、日本の「リアルな食文化(Authentic Japanese Comfort Food)」を体験したいと願う外国人旅行者が連日詰めかけている。伝統を頑なに守る頑固さと、新しい変化を面白がる柔軟性。この二つのバランスが、新たな客層を開拓し続けている。